亀戸駅東口大通りから少し入ったところにある、一軒の居酒屋。
ここに夜な夜なオタクたちが集結しているとの情報を聞きつけた。
なんでも、お酒を嗜みつつ友達の家感覚で趣味の場として使っていいとのこと。また、店は禁煙でタバコが苦手な人でも楽しめる場所だそうだ。
ということで、ガンプラ女子会開催!
本女子会は、ガンプラことガンダムのプラモデルを作る会である。
講師として、ガンプラYouTuberの香坂きのさん(画像左)をお招きし、カメイドタートルズ編集部の女性スタッフ2名と一緒にガンプラを作る。
「(ガンプラ作るなら)こんなんあるけどどうする?」
店の奥から突如として現れたこちらの男性。そう、このオタク向け居酒屋「オタ酒場オタゲン」のご主人。自他ともに認めるオタクである。この店をオープンした理由も、「俺がオタクだから」と男気溢れる回答をした。
手芸感覚で簡単モビルスーツ!初めてのガンプラと時々ご主人
元々、この店で作るためにかさばるガンプラをキャリーケースに詰め込んで持参していたのだが、ご主人のご厚意によりガンプラの選択肢が広まった。ご主人曰く「俺が作るよりも彼女たちが作った方がプラモも幸せだ」という謎ニュータイプ理論により提供していただいた。
初心者でも比較的作りやすいHGUCシリーズという1/144スケールのガンプラを作っていく。
まず最初に作るガンプラを決めたのは香坂さん。ゾウみたいで可愛いからという理由で選んだのは水陸両用モビルスーツのジュアッグ。
ファーストと呼ばれる、ガンダム第一作目のアニメ『機動戦士ガンダム』の舞台である1年戦争時に登場したという設定のモビルスーツだが、本編には一切登場しないというマニアックな機体。
次にガンプラ初心者の編集部スタッフ亀井のガンプラが決定。こちらも同じく水陸両用モビルスーツのハイゴック。
こちらも本編には登場せず、ファーストガンダムの舞台から2年後を描いた作品『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』というOVA(ビデオ作品として販売)に登場する機体。
最後に、これまたガンプラ初心者の編集部スタッフ亀浪が選んだのは、ザクⅡ。
こちらはメジャーな機体で、名前にⅡとはついているが、ザクといえば大抵これを指す、ガンダムシリーズの中でも代表的な機体。
三者それぞれのガンプラが決まったところで早速制作開始。
「はい、ではこれからガンプラを作っていきたいと思いまーす」
「はーい」
「まず初めに、ここに普通のニッパーと、握ったときのフィット感が素晴らしいニッパー、細かい所を切りやすいニッパー、そして5000円のニッパーがあります。どれがいいですか?」
「ご・・・5000円(がいい)」
現金な奴である。
「では、ニッパーが決まったところで、箱を開けます。すると説明書が入ってますね。基本この通りに作るだけです。簡単ですね?」
「細かい・・・」
「ちゃんとアルファベットと数字が書かれているので、その指示通りニッパーでランナー(プラモデルの枠部分)から切り取って、パッチンと繋げれば完成するので難しくないですよ」
「はーい」
パチ・・・パチパチ・・、パチ・・・
居酒屋だというのに、店内にニッパーからプラモデルを切り離す音だけがこだまする。とてもシュールな光景だ。
「あ、やべ・・・」
ここでアクシデント発生。
どうやら亀浪がパーツを床に落としたようだ。よりにもよって床と同色のパーツを落としたらしい。
「ごめんねー。お金ないから床の張替えできなかったんだよ(ニカ!)」
ご主人のクセが強い。
カメラマンがご主人に気をとられている隙に、どうやら落としたパーツは見つかったらしい。
「あ、やべ・・・」
またもアクシデント発生。
今度は亀井が本来切っていけない場所をニッパーで切り取ったらしい。
「そのパーツは、多分予備があるから、一旦気にしなくて大丈夫です」
「記念に写真頂戴パシャパシャ!!」
ご主人とっても出たがりだ。
ガンプラYouTuber香坂さんと時々料理
パチ・・・パチパチ・・、パチ・・・
「香坂さんってどうしてガンプラYouTuberになろうとしたんですか?」
「私、以前は看護師をしてたんです。その時に趣味でやっていたバンドのメンバーがガンプラ好きだったんですよ。私自身が元々アニメ好きでガンダムも見ていたので、作ってみようかなと思ったのがきっかけですね。あ、初めて作ったガンプラはクシャトリアです!」
「俺はビグロだね」
「それからどんどんハマっちゃって、今ではガンプラ以外にもミニ四駆とか戦車とか、もうなんでも作りますよ」
「年間で何個くらい作るんですか?」
「塗装しないのも入れたら年間500体くらいですかね。もうテレビとか見ながらでも自然と作れるようになりました」
「これを流れ作業で?」
「組むだけなら簡単なので。塗装もするので、引っ越すときには事前に大家さんにプラモの塗装しますけど大丈夫ですか?って許可を取るくらいやってます(笑)」
「はい、お待ちどうさま!ザンギ!」
「美味しいよ!これ!」
「イエーイ!」
突然、ダブルピースをキメて来たのはこちらの常連さん。
「お父さんもオタクで、このお店に来てるんですか?」
「俺は、ここの料理が美味いから来てるんだよ!お姉ちゃんたち何つくってるの?ロボット?」
こちらが、お店自慢の料理ザンギ。揚げたてサクサクの衣と肉汁あふれ出る鶏肉がたまらない。
「あーん。おいしー!」
こちらは、あの渋すぎる男ランバ・ラルもきっと笑顔になるに違いない、モツと野菜に味がしっかりと染み込んだ煮込み。
バンダイのプラモ成形技術並みに完璧なフォルムをした出汁巻き卵。
戦場のミノフスキー粒子のごとく、しっかりとスモークされた燻製各種。続々と運ばれてくる絶品料理。
そして続々と集結するオタクたち。
今宵、宴はまだ始まったばかりである。
後編へ続く
スポット紹介
住所:〒136-0071 東京都江東区亀戸6丁目29−1
アクセス:JR亀戸駅 徒歩3分
営業時間:17時00分~24時00分(火曜定休日)
Edit by カメイドタートルズ編集部